2008年 02月 22日 ( 1 )
革が化けると書いて靴
”革を使う”ということは”動物を使う”ということだと思います。
使う度に、”この革は1頭の動物が死んでできている”ということを常に心掛けるようにしています。どうしても”革”の状態でみてしまうと、そういう感情が薄れてしまいがちになってしまったりします。その動物に感謝して、無駄にしてはいけない!と 日々自分自身に言い聞かせています。
とはいっても、動物の皮だったものなので、均一ではないので、それぞれにその特性を生かした部位を使って、靴作りを行う事になります。
アッパーに使用する革に関しては、Vintage Lineの場合、1頭の革から1足しかとりません。Standard Lineの場合は、3足程度。随分と贅沢な使い方だとは思いますが、残りの部分は、基本的にはデザインサンプル用の靴のアッパーとして活用しています。それでも、端革が残るのですが、ミシンの試し縫いや、漉きの試し用として、できるだけ無駄に捨てる事のないようにしています。

近頃は、本当に革が値上がりをしていますが、もったいない、というよりは、動物に対して無駄に死んだと思って欲しくないと思うというか、なんというか。

値上がりをしている反面、革の質自体は落ちてきている、といわざるを得ない状況が続いています。色々な事にスピードとコスト削減が要求される現代において、動物は、自然に成長するよりも、人工的に早く大きくさせる、ということが行われてきているのだろうと思いますが、血筋といわれる血管のあとや、トラと呼ばれる生きていた時のシワが、全体に多くみられるようになっています。
自分としては、そういうものは、動物が生きていた証、革らしくて嫌いじゃないのですが、お客さまには、気にされる方も多く、できるだけ避けるようにはしています。ただ、やはり生きていた動物のものなので、多少は避けられないものだと思っています。
なんとかお客さまにもご理解頂けるとうれしいです。
もちろん、作っている工程の中でのシワや、キズはご理解いただけるものではないと思いますが、トラなどは、きちんと特性を生かせば、履き心地も良くなる事はあれ、悪くなる事はないと思います。

靴を作るというのは、ただ物を作るという事だけではなく、機能として足を、人間を支えていかなければいけない物なのだと思います。

動物を使って、靴を作っている。
きちんとそういうことをふまえて、これからもお客さまとともに、靴を作っていかなければ!と思っています。
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by boot_maker_oe | 2008-02-22 01:24 | 徒然